当院では、「リジュセアミニ点眼液0.025%」という目薬を1日1回点眼することにより、小児期の近視進行を抑制する治療を行っております。
近視は、眼球が長く伸びて拡張した状態となり、網膜よりも手前でピントが合うため、物がぼやけて見えてしまう症状です。
このときの眼球はピンポン玉のような球形ではなく、楕円形のような形に変形している(眼軸長が伸びる)ことが確認されています。
小児期においては、近くを見ることが習慣化してしまうと近視になりやすく、一度眼軸長が伸びてしまうと元に戻ることはありません。
また、強度な近視になると網膜剥離や緑内障、黄斑変性症、視力障害に発展する可能性もあります。
このため眼軸長の伸びを抑制することが、近視の進行を抑えるために重要となります。
近視抑制治療薬「リジュセアミニ点眼液」は、国産の0.025%低濃度アトロピン点眼薬です。
これまで使用していた「マイオピン点眼薬」に比べ、こちらは薬効ターゲット想定部位である後部強膜への移行性が高く、反対に虹彩や毛様体への移行が抑えられることで、瞳孔への影響がより軽減されます。
また、治療が長期におよぶことによる安全性も考慮されており、防腐剤を含まない1回使い切りタイプの点眼薬です。
日本において5歳~15歳の近視患者を対象とした第Ⅱ/Ⅲ相プラセボ対照二重遮蔽比較試験を実施した結果、投与24か月後における調節麻痺下他覚的等価球面度数の投与前からの変化量について、プラセボ群に対し優越性が検証されています。
近視の症状のあるお子様(5~18歳)
リジュセアミニ点眼液0.025%(低濃度アトロピン点眼薬)
1日1回、就寝前に点眼します。
検査後、適応と判断されれば治療開始となります。副作用等がなく、治療継続に問題なければ、定期的に効果をモニタリングします。
治療開始後1か月目に、副作用の有無や治療継続が可能かを評価いたします。その後3か月毎の定期的な通院が必要です。
主な副作用として、まぶしさを感じたり、かすんで見えたりすることがあります。他に、視力障害や頭痛、眼瞼湿疹が報告されています。
これらの症状が現れた場合は医師にご相談ください。
なお、治療を途中で中止すると、近視が急激に進行する可能性があります。
診察代 | 点眼薬(1か月分) |
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3,000円 | 4,300円 |